「失われた20年」のなか、偉いぞ!若者たち
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「失われた20年」のなか、偉いぞ!若者たち <第3号>
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奄美リゾートホテル「ばしゃ山村」のビーチ
滞在している奄美リゾートホテル「ばしゃ山村」のビーチ
photo by K. Ijuin

「癒し愛し島・奄美大島」で新年を迎えた。
亜熱帯にあって20℃前後の気温、70%を超える湿度の高さは、いかにも呼吸が楽で、過ごしやすい。時間の流れが緩やかで、安らぐ。
島の人たちの笑顔と優しさ、潜在する熱情とエネルギー。人間らしさを取り戻す場所である。都会暮らしのヤワな人間には、新鮮で、強烈だが……。

1月2日の夜。宿泊するホテルである奄美リゾート「ばしゃ山村」には、この地で生まれ、育った寅年の若者(といっても満36歳)の同窓会が開かれていた。子連れのファミリーが多い。彼らの集まりの隣室で食事をしていたボクは、気づいたら、彼らの輪を囲む一人になっていた。

みんなが参加し、工夫して、愉しんでいる。盛り上がりのなかにも秩序がある。おとなの宴だ。強烈なリズムを身体で受け止め、島の唄を大合唱し、踊りに興じる。互いに心を温め合っているかのようだ。ボクの心身まで温めてくれる。若い父母に抱かれ、会場を走り回る子らも、五感で感得し、学んでいるに違いない。

奄美の正月料理
奄美の正月料理(酒は山田酒造の黒糖焼酎)
photo by K. Ijuin

島の唄と熱い踊りに酔いしれて
島の唄と熱い踊りに酔いしれて
(奄美リゾートホテル「ばしゃ山村」)
photo by K. Ijuin

話は変わる。おこがましくも、全国各地で中堅社員の能力開発研修を25年もやってきた。20歳代、30歳代の輝くまなざしに囲まれて仕事をする幸せを感じている。同時に、彼らのアイデアや行動力を活かせる企業・組織は、かならず未来がある、成長への道が拓かれると確信している一人である。
2002年から約6年、戦後最長の景気回復過程があり、2008年の世界的な経済危機に直面した。02年当時、バブル経済の崩壊以降(1991年)の10年を「失われた10年」と呼ぶ。しかし、02年以降はどうだろうか。経済成長を統計では理解できても、実感はない。働く人にとっては、諸々の格差の拡大、不公平感だけが増幅されている。
20年前に比べ3割以下に下落している株価は別にして、平均年収はほぼ1990年の水準である。とくに、10年間の賃上げ率は年平均2%以下。平均年収は約1割少なくなっている。ちなみに、300万円以下の人口比は上昇して、近年では38%前後だ。
こうした数字を眺めていると、「失われた10年」は、いまも続いていて「失われた20年」も現実化しかねない。

入社したときから20年近く、超低成長経済と不況の連続だったというのは30歳代の人たちだ。超低金利が続いているが、資産形成はできない。家もクルマも遠い夢。結婚もライフデザインを描くこともままならない。
そんななかを生きながら、30歳代の企業戦士たちは元気だし、懸命に仕事に向き合っている。愚痴もない。「最近の若者は……」と批評する向きもないではない。でも、ボクの目には、彼らの忍耐も努力も並大抵ではないと映る。

奄美の若者たちと空間と空気をともにして感じたこと。彼らの世代の努力や行動を活かし育てる企業や組織が増えてほしい、と。給与を上げることも必要だが、その前に、彼らを評価し、褒め、知恵やアイデア、エネルギーを引き出し、活かすことを考えてほしい。企業・組織の活力を生み出す近道である。

新年にあたって望むことであり、気を引き締めて望みたいことでもある。

2010年1月3日 癒し愛し島・奄美大島にて

編集人・伊集院 耕大

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